薬局・薬剤師

時給1500円の調剤補助は存在するのか

突然の昔話になるのですが、私、パチンコ屋のバイトに応募して書類選考で落ちた経験があります。

大学生といえばバイト。

おそらく大学時代、みんな何かしらのアルバイトを経験するのではないでしょうか。

御多分に漏れず、私も大学生になるとすぐにバイトをしようと決意します。

しかし私が通っていたのは北海道の大学。

北海道といえば、全国でもなかなかに最低賃金の低い都道府県。

当時の記憶はほとんど無いのですが、飲食店のバイトは確か時給700円程度。

一方で、パチンコ屋の時給は1000円を超えていた記憶があります。

学生にとって、時給300円の違いはめちゃくちゃ大きいですよね。

パチンコなんて全くしたことの無かった私でしたが、高い時給に目がくらみ、パチンコ屋のバイトに応募したのです。

パチンコ屋で働くならスロットの目押しくらい出来ないといけない、とスロット経験のある友人から教わり、近所のゲームセンターのスロットで目押しの練習。

目押しの才能があったのか、すぐに目押しもできるようになり、パチンコ屋で働く準備万端。

あとは面接でやる気を見せるだけ・・・

そう思っていたのですが、まさかの書類選考落ち。

面接してもらうことすら出来なかったのでした。

なぜ書類選考で落ちたのか原因は分かりませんが、一説によると、一緒に申し込んだ友人が特技の欄に『マリオカート』と書いたからなんて噂も・・・

そんなこんなで時給1000円のバイトを逃した私は、練習した目押しのスキルを活かし、毎日パチンコ屋に通ってギャンブルで生活費を稼ぐ大学生活を送ることになるのでした。

時給1500円が必要という主張

導入がめっちゃ長くなりました(笑)

けっこう前の話ですが、全国労働組合総連合(全労連)が、

25歳の若者が人間らしく生活をするためには全国一律で時給1500円が必要だ!!

という主張をしています。

この主張の根拠はよく分かっていないのですが、日本の最低賃金が毎年少しずつ上がっているのは事実です。

現在の最低賃金は、全国平均で時給930円。

東京都はなんと1,041円。

私が大学生活を送った北海道も、現在では889円まで上がっています。

調剤業務のタスクシフト

少し話は変わりますが、薬局では調剤業務のタスクシフトが進んでいます。

「対物から対人へ」の号令のもと、平成31年の0402通知により、それまで薬剤師の業務であった調剤業務の一部が、薬剤師以外でも行えることとなりました。

これによって薬剤師は調剤業務の負担を減らし、それまでよりも服薬指導や在宅といった業務により力を入れることができるようになりました。

一方で、このタスクシフトにはもう一つの側面があります。

それは、薬剤師ではなく調剤業務を行う人(以下、調剤補助)を雇うことで、人件費を抑えることが可能ということです。

今でこそ薬剤師の時給も下がってきましたが、コロナ前までは最低でも時給2,000円は出さないと薬剤師を雇えませんでした。

しかし調剤補助であれば、時給1,000円くらいで雇うことができます。

こういった一面もあり、調剤業務のタスクシフトはそれなりに進んでいます。

最低賃金1,500円が達成されたら

しかし、ここでもし全労連の主張通り、最低賃金1,500円が達成されたらどうなるでしょうか。

もちろん、調剤補助も時給1,500円以上で雇う必要があります。

一方で現在の薬剤師の年収は、コロナ禍の影響もあり、特に首都圏では依然と比べてかなり下がっています。

新卒であれば年収400万円、条件によってはもっと低いケースもあります。

年収400万円というのは、時給換算するといくらなのでしょうか。

賞与にもよるのですが、よくある賞与4ヶ月分で計算してみると、

年収400万円÷16ヶ月=月収25万円

となります。

更に月160時間働いたとすると、

月収25万円÷160時間=1,563円

となります。

なんと、調剤補助を雇う時給1,500円に限りなく近くなりました(笑)

時給60円くらいの差であれば、調剤補助ではなく薬剤師に調剤業務をお願いする経営者が多いのではないでしょうか。

薬剤師であれば、調剤業務だけでなく服薬指導などもできて、薬局内を円滑に回すことができますからね。

つまり何が言いたいかというと、今後も最低賃金が上がり続け、一方で薬剤師の過剰や医療費削減を背景に薬剤師の年収が下がり続ければ、また調剤業務が薬剤師に戻ってくる可能性もあるのではないか、ということです。

最低賃金の対象となる賃金

最低賃金については最低賃金法という法律で定められており、最低賃金の対象となる賃金は、毎月支払われる基本的な賃金とされています。

具体的には、実際に支払われる賃金から次の賃金を除外したものが最低賃金の対象となります。

  1. 臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
  2. 1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
  3. 所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金(時間外割増賃金など)
  4. 所定労働日以外の日の労働に対して支払われる賃金(休日割増賃金など)
  5. 午後10時から午前5時までの間の労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分(深夜割増賃金など)
  6. 精皆勤手当、通勤手当及び家族手当

この中で、②の1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)が意外と重要です。

たとえば年収250万円で、年間2000時間働く場合。

単純に時給だけで働くと、

年収250万円÷2000時間=時給1250円

となります。

一方で賞与4ヶ月分を想定して働く場合、賞与などの1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金は最低賃金の対象となりません。

そのため、年収250万円×12/16として最低賃金を超えているかを判断する必要があります。

そうすると、

250万円×12/16÷2000時間=時給937.5円

となってしまい、都道府県によっては最低賃金を下回ることとなります。

同じ年収でも、賞与のある無しでかなり変わってくるんですね。

そう考えると、賃金設計ってすごく大切だなって思います。

調剤ロボットの存在

また忘れてはいけないのが、調剤ロボットの存在です。

調剤ロボットを導入する薬局も少しずつ増えています。

こういった類のものは、普及するほど価格も下がります。

今後最低賃金が上がり続けたとき、調剤業務にかかるコストがそんなに大きいなら調剤ロボット導入しちゃおう!となる可能性も高いのではないでしょうか。

最低賃金が上がるということは、そういったリスクと隣り合わせということですね。

まとめ

以上、今回は最低賃金の上昇と調剤補助、そして私の大学時代の思い出話がメインの記事でした。

薬局業界を見ていると、以前よりも非薬剤師の活躍の場が増えているように感じます。

今後オンライン服薬指導が普及した時、薬局で働く人の多くが非薬剤師という可能性も?

そうなった時、薬剤師と非薬剤師で賃金がどういった関係性になるのか、興味あるところです。

最低賃金なんて気にせず、頑張っていれば非薬剤師もどんどん賃金が上がる職場が良いですね!

 

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