労働時間

半日休み2回で1日休み扱いは違法ですか?

薬局やドラッグストアでは、半日休み2回で1日休み扱いにしている会社が結構あります。

病院が

  • 日曜休み
  • 木曜と土曜は午後が休み

のようにしていて、薬局もそれに合わせるようなケースですね。

従業員としても、半日だけ用事がある場合などに半日休み×2で1日休み扱いにできれば便利ですよね。

理屈としては、半日が2回で1日となるのは自然です。

しかし法律的にはどうなのでしょうか。

実は、場合によっては労働基準法に違反することもあります。

今回は、その辺りのことを簡単に紹介していきます。

労働基準法の暦日という概念

まず初めに、労働基準法では暦日という概念がよく用いられます。

『暦』は「れき・こよみ」と読みますが、『暦日』の意味としては「こよみの上の1日」

つまり、00:00~24:00の1日のことを言います。

そして労働基準法では、休日については暦日である必要があるとしています。

これは、00:00~24:00の間まったく働かなかった時はじめて休日になるということです。

例えば午前中だけ半日働いたとき、当然ですがこの日は労働基準法上の休日にはなりません。

そしてこのような日が2回あった場合に、合わせて1日の休日とすることもできません。

これが労働基準法のルールです。

休日の取扱いの例外

もちろん、こういった休日の考え方にも例外があります。

 8時間3交代制勤務

例外の1つが、8時間3交代制勤務のような場合です。

看護師の方は結構このような働き方をしてますよね。

8時間3交代制勤務のような場合において、

  • 番方編製による交替制が就業規則に定められている
  • 各番方の交替が規則的であって、シフトによりその都度設定されるものでないこと

この条件に当てはまる場合、暦日ではなく24時間継続して働かなかったときに休日として認められます。

 旅館や自動車運転手の事業

もう1つの例外が、旅館の事業や自動車運転手といった職種の例外です。

これらの職種でも、一定の条件を満たす場合には、暦日ではなく24時間継続して働かなかった時に休日として認められます。

旅館の事業をイメージしてもらえれば分かりやすいと思いますが、客が宿泊するなかで、0時から24時まで働かないという日はなかなか作れないですよね。

そういった事業や業種を例外とするということです。

労働基準法における休日

薬局やドラッグストアは、当然ですがこれらの例外は当てはまりません。

では薬局やドラッグストアでは、半日休み×2=1日休みという扱いは絶対に無理なのでしょうか。

実はそんなこともありません。

労働基準法では休日について以下の通り定めています。

第35条
1.使用者は、労働者に対して、毎週少くとも1回の休日を与えなければならない。
2.1の規定は、4週間を通じ4日以上の休日を与える使用者については適用しない。

この法律で定められた毎週1回の休日を法定休日

それ以外に、会社で定めた週2回目以降の休日を所定休日あるいは法定外休日といいます。

この中で労働基準法における休日とは法定休日のことをいい、労働基準法の制限が関係するのは法定休日のみとなります。

つまり、暦日の考え方が必要となるのは法定休日のみということです。

半日休みを4回は労働基準法に違反

週1回の休みは労働基準法に制限されますが、週2回目以降の休日はそもそも労働基準法で定めた休日ではないので会社で好きにして良いということになります。

なので、1週間の中で1日休み+半日休み×2という休み方は労働基準法に違反しないということになります。

1日休みが1回あれば良いですからね。

しかしこれが半日休み×4となると、労働基準法上は1日も休日が無いことになり、労働基準法に違反となる可能性が高くなります。

可能性が高いというのは、労働基準法第35条2項を適用させれば違反ではないからですね。

このあたりはまた違う論点になるので、今回の記事では省略します。

まとめ

以上、今回は、半日休み2回で1日休み扱いは違法かどうかを紹介しました。

薬局やドラッグストアで時々見かける、1日休み+半日休み×2という働き方は労働基準法上問題ないということが分かっていただけたかと思います。

とはいっても法律上問題ないだけで、1日休み+半日休み×2という働き方がお勧めかというと、個人的にはお勧めできません。

よほど本人が希望しない限り、このような働き方は長続きしない印象があるからです。

簡単にいえば、従業員が辞めてしまうということです。

やはり1日休み×2の方がプライベートを充実させやすいのでしょう。

体力的にも辛いですしね。

私自身も、1日休み×2の方が好きです(笑)

労働基準法はあくまで最低限の基準を定めた法律ということは、今後もずっと覚えておいてほしいと思います。