社会保険労務士には、5年に1度の受講が義務付けられている倫理研修というものが存在します。
5人に1度しか受講しないため、その存在自体を忘れている人も多いことでしょう。
「あれ?そういえば倫理研修受けたっけ?」
と急に焦ることもあるはず。
なんたってオリンピックやワールドカップより間隔があきますからね(笑)
そんな倫理研修ですが、ちょうど私が今年受講のため、簡単にまとめようと思います。
基本的には月刊社労士や連合会のホームページに書いてあることなので、より詳しく知りたい方はそちらを読んでみてくださいな!
目次
社労士の倫理研修とは
倫理研修とは、社会保険労務士の職業倫理を保持するため、都道府県社会保険労務士会において、所属する全会員が5年に1回必ず受講しなければならない義務研修です。
義務研修ということで、受講しない場合には「処分」の対象となる可能性があるため注意が必要です。
また、受講していないと、連合会や都道府県会において、各種公的委員、アドバイザーまたは講師や相談員等の募集に推薦されなくなる可能性があることも覚えておきましょう。
倫理研修の受講対象者
受講の対象者は、社労士の登録年度によって決められます。
たとえば令和4年度の倫理研修は、
①令和3年度
②平成28年度
③平成23年度
④平成18年度
⑤平成13年度
⑥平成8年度
⑦平成3年度
⑧昭和61年度
上記の年度に登録した方が対象です。
私は令和3年度に社労士登録しているので、今年度の受講対象ということです。
ちなみに令和5年度の倫理研修は、
①令和4年度
②平成29年度
③平成24年度
④平成19年度
⑤平成14年度
⑥平成9年度
⑦平成4年度
⑧昭和62年度
⑨昭和57年度
上記の年度に登録した方が対象です。
こんな感じで、5年に1回は倫理研修の受講義務が回ってくることになります。
倫理研修の時期と受講方法
令和4年度の倫理研修実施時期は、令和5年2月1日~3月31日です。
この期間のあいだにe-ラーニングで受講します。
受講に必要なIDとパスワードは、1月下旬頃に案内があるそうです。
集合形式での受講も可能
e-ラーニングで受講する環境が整っていない場合のみ、都道府県会で実施される集合研修での受講が可能です。
私の所属する千葉県会の場合、2月に1回と3月に1回、計2回の集合研修が実施されるようで、e-ラーニングの場合には申し込みなど不要ですが、集合研修に参加する場合には事前に申し込みが必要となります。
定員も各日20名とかなり少ないため、基本的にはe-ラーニングで受講してください、といった感じです。
また受講料はe-ラーニングも集合研修も無料です。集合研修の場合のみ交通費は自己負担となります。
倫理研修の内容
倫理研修の内容ですが、
- 倫理研修実施の意義等について(約60分)
- 社労士に求められる職業倫理の解説(約60分)
- 事例(設例問題)の解説(約60分)
となっています。
使用するテキストは
- 倫理研修テキスト
- 社労士に求められる職業倫理
の2冊となっており、②『社労士に求められる職業倫理』のテキストについては、受講者以外の会員にも、『月刊社労士』令和5年1月号に同封されています。
以前の倫理研修との違い
コロナ禍より前の倫理研修では、都道府県会がそれぞれで集合研修を行い、全員が集合研修への参加を義務付けられていました。
内容も都道府県会により異なり、グループディスカッションをがっつり行うところもあったそうです。
しかし現在はコロナ禍。
e-ラーニングを受講するだけで倫理研修は修了となります。
個人的には、グループディスカッションで色んな方の考えを知れる機会が無くなってしまったのは残念に思います。
まとめ
以上、今回は社労士に受講が義務付けられている倫理研修についてまとめてみました。
私は令和4年度の倫理研修を受講しますが、令和3年度と令和2年度の『社労士に求められる職業倫理』も持っています。
このテキストがなかなか良くて、社労士として仕事していくうえで忘れてはいけない
- 不適切な情報発信
- 不適切な対応
- 業務委託契約におけるトラブル事案と契約書のポイント
- 非社労士との提携禁止
などについて、事例とともに解説があります。
倫理研修の受講年度ではなくても、軽く目を通しておくと良いと思います。