仕事中の休憩時間については、労働基準法第34条で以下のように定められています。
(休憩)
第34条 使用者は、労働時間が6時間を超える場合においては少くとも45分、8時間を超える場合においては少くとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。
この規定をもとに、多くの会社では8時間勤務の場合は途中で1時間の休憩が入ります。
しかし、この1時間の休憩の取り方についてはあまり細かいことが決められていません。
そのため、薬局によっては休憩時間を分割して取ってもらっていたりします。
1時間連続で休憩に入るのが難しい薬局もありますよね。
分割して休憩を取ること自体は問題ないのですが、ではどのくらいの分割が許されるのでしょうか。
無いとは思いますが、5分の休憩を12回の取得でも問題ないのでしょうか。
少し難しい話になってしまうかもしれませんが、特に一人薬剤師の薬局では問題になることがあるかもしれませんので紹介します。
分割は何分刻みまで可能なのでしょうか。
今回は、休憩時間の分割付与についてご紹介します。
休憩時間とは労働から離れられる時間
実は厚生労働省のホームページでよくある質問として、
「休憩時間を分割する場合どのようなことに注意が必要でしょうか。」
というものが挙げられています。
それだけ同じようなことを考える人が多いということでしょう(笑)
この質問に対しての厚生労働省の答えは以下の通りです。
休憩時間とは単に作業に従事しないいわゆる手待時間は含まず、労働者が権利として労働から離れることを保障されている時間をいいます。分割された休憩時間がごく短い場合、休憩時間の自由利用が事実上制限されるため、労働者が労働から完全に解放されているとは評価されない場合があります。休憩時間の分割を行う場合には、その点に注意する必要があります。
つまり、休憩時間をあまりに細かく分割しすぎると、それはもう休憩時間ではないよね?という話です。
これが厚生労働省の答えですので、何分以上であれば良いとか、何分割までなら良いとかは答えがありません。
それでも休憩の分割取得自体は問題ないということは分かります。
休憩時間と手待ち時間の違い
先述した厚生労働省の答えにも出てきましたが、休憩時間と手待ち時間の違いについても考える必要があります。
手待ち時間を薬局の業務で考えると、患者がいない間の少しのんびりする時間です。
実際は患者がいなくても色々とやることはあると思いますが、そこは置いておいて(笑)
患者がいなくてのんびりしてる時間は、労働してるとは言えませんよね。
じゃあ休憩時間になるのかというとそんなわけではなくて。
たとえ労働はしていなくても、もし患者が来たらすぐに対応しないといけないような待ち時間を手待ち時間といい、休憩時間ではなく労働時間として扱われます。
これがよく問題になるのが一人薬剤師の休憩時間です。
なので、「患者がいない間にこまめに休憩とってね。合計で1時間。」みたいな運用は認められないわけです。
まとめ
以上、今回は、休憩時間の分割付与について紹介しました。
休憩時間を分割して取ることは問題ありません。
最低でも何分以上だったり、何分割までならOKみたいなルールもありません。
しかしあまりに細かすぎると、それは休憩時間とは見なされないので注意が必要です。
まあ常識の範囲内でって感じですかね(笑)