労働安全衛生

一般健康診断や特殊健康診断など、健康診断にも種類があること知ってる?

以前の記事で、労働安全衛生法について簡単に紹介しました。

職場のトイレは男女別々?労働安全衛生法について知ろう!つい先日の話ですが、経済産業省に勤めるトランスジェンダーの職員が、職場の女性用トイレの使用を制限されているのは不当だとして国を訴えた裁判...

今回の記事では、労働安全衛生法に定められている健康診断について、少し詳しく紹介しようと思います。

薬剤師として働くなら知っておいて損は無いと思いますので、ぜひ読んでみてください!

健康診断の種類は大きく2つ

健康診断は、大きく以下の2つに分けられます。

  • 特殊健康診断
  • 一般健康診断

このうち特殊健康診断については、

  • 放射線業務
  • 石綿業務
  • 有機溶剤業務

のような有害業務に従事する労働者が受ける健康診断になります。

通常の薬剤師はこういった有害業務に従事しませんので、一般健康診断を受けることになります。

一般健康診断の種類

また、一般健康診断にも種類があります。

  • 雇入れ時の健康診断
  • 定期健康診断
  • 特定業務従事者の健康診断
  • 海外派遣労働者の健康診断
  • 給食従業員の検便

毎年会社から案内がきて、とりあえず受けてる健康診断だけではないんですね。

これらについて、簡単に紹介していきます。

雇入れ時の健康診断

会社は、常時使用する労働者を雇入れる際には、労働者に健康診断を受けてもらう必要があります。

ただし、労働者が3ヶ月以内に健康診断を受けていた場合、その結果の書面を会社に提出することで代えられます。

雇入れる時の健康診断は雇入れの直前でも直後でも問題ありませんが、一般的には入社前3か月から入社後1か月とされています。

検査項目についても、

  • 胸部エックス線検査
  • 血圧測定
  • 肝機能検査

など11項目が定められています。

おそらく皆さん、入社時には会社から健康診断を受けるよう案内されたのではないでしょうか。

定期健康診断

会社は常時使用する労働者に対し、1年以内ごとに1回、定期的に医師による健康診断を受けてもらう必要があります。

検査項目としては雇入れ時の検査項目に

  • 喀痰検査

が加わりますが、年齢によっては、医師の判断に基づき省略することも可能です。

また、雇入れ時の健康診断から1年以内の場合、雇入れ時に受けた検査項目は省略可能です。

この定期健康診断こそ、皆さんが毎年会社から案内されて受けている健康診断になります。

特定業務従事者の健康診断

会社は、深夜業などの特定業務に常時従事する労働者に対し、当該業務に配置換えの際および6ヶ月以内ごとに1回、定期的に医師による健康診断を受けてもらう必要があります。

検査項目は定期健康診断と同じです。

一部の過酷な業務に就く労働者には、1年に1回ではなく半年に1回は健康診断を受けてもらうといった趣旨です。

薬局やドラッグストアで薬剤師として働いているうちはあまり関係ないと思いますが、常態として深夜業を1週間1回以上または1ヶ月に4回以上行う業務は特定業務に該当するという通達があります。

24時間営業の薬局等で働く場合は対象となるかもしれません。

海外派遣労働者の健康診断

会社は、労働者を

  • 国外に6ヶ月以上派遣しようとする時
  • 国外に6ヶ月以上派遣した労働者を国内の業務に就かせる時

には、医師による健康診断を受けてもらう必要があります。

検査項目は、定期健康診断の項目に加えて、

  • 血液型検査
  • 糞便塗抹検査

などが追加となる場合があります。

これまた薬局やドラッグストアで薬剤師として働いていると無縁かもしれませんが、製薬会社などで働いていると海外勤務もありますので、対象となることがあるかもしれません。

給食従業員の検便

会社の食堂等で給食の業務に従事する労働者に対し、雇入れの際および当該業務に配置換えの際、検便による健康診断を行う必要があります。

ちなみに検便に関しては、定期的に行う必要はありません。

薬剤師として働いていると、あまり気にすることは無いかもしれないですね。

健康診断の労務管理

ここまで一般健康診断について簡単に紹介しました。

薬局やドラッグストアで薬剤師として働く上では、

  • 雇入れ時の健康診断
  • 定期健康診断

の2つを知っておけば十分だと思います。

ここからは健康診断の労務管理について紹介します。

賃金支払いの必要性

社員が一般健康診断を受けている時間は、会社に賃金支払いの義務はありません。

労働時間として扱わなくて良いということです。ただし、賃金を支払うことが望ましいとはされています。

一方で特殊健康診断に関しては、その受けてる時間は労働時間とみなされ、賃金を支払う必要があります。

健康診断の実施に要する費用

労働安全衛生法の定めによる健康診断を実施する場合、その費用は会社が負担する必要があります。

ただし、会社が指定した医師以外の医師による健康診断を社員が希望して受ける場合は除きます。

定められた項目以外を労働者が希望して受ける場合も除きます。

健康診断のときに人間ドックを受ける方もいますが、会社が人間ドックの費用を全て負担する必要はないということですね。

また、協会けんぽや東京薬業健康保険組合などの保険者が健康診断の費用を助成してくれる場合が多いため、実際の負担はそれほど多くなりません。

常時使用する労働者とは

ここまで出てきた『常時使用する労働者』の定義ですが、

  • 契約期間が1年以上
  • 1週間の所定労働時間が通常の労働者の3/4以上

こういった労働者のことを指します。

1年『以上』というのが肝で、有期雇用で働く方は契約期間が1年の方が多いので、そういった方も該当します。

まれに、有期雇用の社員は対象外だと思われている方もいらっしゃいますが、有期雇用でも条件に該当する方は対象となります。

まとめ

以上、今回は、労働安全衛生法の一部でもある健康診断について紹介しました。

普段、何気なく年に1回受けている健康診断にも、色々な決まり事があることを知っていただけたかと思います。

健康診断は健康を維持管理するためにとても大切なことです。

法律で決まっているから・・・ではなく、健康維持管理のため、毎年必ず受けるようにしましょう。