以前の記事で、退職時に雇用保険から貰える基本手当について紹介しました。
とはいっても、基本手当を貰える日数が長くてもどうせすぐ働くし・・・そう考える人も多いかもしれません。
そんな人にぜひ知っておいてほしいのが再就職手当です。
再就職手当を分かりやすく言えば、基本手当を貰える日数を残して早く就職できた時のご褒美です。
どうせすぐ働くのなら、再就職手当を貰って就職すれば良いのです。
この再就職手当について、あまり知らずに損してしまう人が多いので、簡単に紹介します。
再就職手当を貰う要件
再就職手当を貰う要件はいくつかありますが、一番大切なことは
- 基本手当の給付日数が3分の1以上残っていること
です。
他にも、
- 過去3年以内に再就職手当を貰ってないこと
- 離職した会社に再就職したものでないこと
- 1年を超えて働くことが確実であること
など不正受給を防ぐための要件もあるのですが、給付日数が3分の1以上残っていることがとにかく大切です。
再就職手当の金額
再就職手当の金額としては、給付日数の残りが
- 3分の1以上3分の2未満:60%
- 3分の2以上:70%
にあたる金額が貰えます。
基本手当の記事で、月給300,000円の人の基本手当日額は約6,000円になると紹介しました。
もしこの人が基本手当を90日貰えるところ、45日を残して就職したとします。
その場合、6000円×45日×60%=162,000円が再就職手当として貰えます。
人によっては、90日まるまる残して就職することもあります。
その場合、6000円×90日×70%=378,000円が貰えることになります。
これがもっと基本手当日額が高く、更に貰える日数が120日や150日、180日であった場合、再就職手当がかなりの金額になることが分かると思います。
どうせすぐ就職するから・・・と基本手当や再就職手当のことを全く考えない人も多いです。
しかし金額が金額ですから、せっかなら検討してみてほしいと思います。
就業促進定着手当も受給可能に
早く就職して再就職手当を貰った場合、もうひとつ貰えるようになる手当があります。
それが就業促進定着手当です。
再就職手当を貰って就職した人が6か月以上雇用され、その6か月間の賃金が離職前の会社で貰っていた賃金よりも低い場合に支給されます。
これまた再就職手当と同様にあまり知られていませんが、転職して賃金が下がってしまった場合にとても助かる手当ですので、知っておいて損はないと思います。
基本手当の所定給付日数が非常に重要
基本手当だけでなく再就職手当のことまで考えると、基本手当の所定給付日数が非常に重要になることが分かります。
所定給付日数に関係するのは、
- 離職時の年齢
- 何年働いていたか
そして
- 失業状態となった理由
です。
退職を考えたときには、いちど所定給付日数のことを思い出し、退職のタイミングや退職の仕方について考えてもらいたいと思います。
もちろん基本手当の要件を満たすためにも、まずは1年働くということも大切です。
まとめ
以上、今回は再就職手当について紹介しました。
退職したとき、金銭的な事情により焦って転職先を決めてしまい、結果として自分に合わない会社に就職してしまうことがよくあります。
これは、自分にとっても会社にとっても良くないことです。
基本手当や再就職手当についてしっかり理解することで、少しは金銭面に余裕を感じ、じっくりと転職活動ができるのではないでしょうか。