開業体験談

社労士開業体験談vol.3『税理士法人勤務から社労士一本へ 伊藤明子先生』

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これまで、私自身の社労士開業準備の話を主なコンテンツとしていたこのブログ。

新しく、先輩社労士に開業体験談をインタビューする企画をスタートしております。

私1人でなく様々な先輩社労士の開業体験談を聞くことで、これまで以上に開業を考えてる方の力になれればと思っています。

今回は第3弾として、東京都港区で開業されている伊藤明子先生に話を聞かせていただきました!

  • 合格:第53回(2021年)社会保険労務士試験
  • 開業:2022年4月1日
  • 東京都社労士会港支部

社労士受験・開業の経緯

勤務先の税理士法人の代表に勧められて開業しました。

ーーさっそくですが、簡単に自己紹介をお願いします。

2021年に社労士試験に合格し、2022年4月に横浜で開業登録しました、伊藤です。

大学時代に税理士を目指していたこともあり、都市銀行に就職した後に税理士法人へ転職。出産育児で10年近いブランクを挟みつつ、税理士法人で勤務しながら社労士試験に合格しました。

最初の開業は横浜でしたが、今年の5月から事務所を港区に移したところです。中小企業経営者の方の味方になりたいと思っています。よろしくお願いします!

ーーよろしくお願いします。まずは、社労士試験を受験した経緯を教えてください。

もともと社会保険労務士という仕事は全く知らずに税理士法人で働いていたのですが、就業規則のことで社労士の方とやり取りすることがあり、そこで初めて社労士という仕事を知りました。

その後、新型コロナの影響で結構時間ができたときに、せっかくなので何か勉強しようと思って社労士試験を受けることに決めました。

税理士法人で担当していた経営者の方が、皆さん人のことですごく悩んでいたんです。すぐ辞めてしまうとか、なかなか採用できないとか。税務の話をしに行っても、人の悩みがまず出てくるんですよね。

そういった経営者の方をどうサポートできるか調べていて、社会保険労務士がそういったお仕事に携われるのかなと思ったんです。

ーー開業についても考えていたのですか?

恥ずかしながら開業については全く考えていなかったです。

ぼんやり、どこかの社労士事務所で実務を学んでみたいと考えていたときに、税理士法人の代表が社労士業務もやりたいと思っていたことを知りました。私が合格したので「とりあえず開業してくれないか」ということで、全然予定していなかったのですが慌てて調べて準備して、2022年の4月に開業しました。

ーー税理士法人に依頼があったときに、すぐに紹介できる先が欲しかったということですか?

そうですね、やはり税理士法人だと社労士業務は受けられないので、私が開業することで、ワンストップで受けられることをアピールしたかったみたいです。

なので社労士事務所も、税理士法人と同じ住所で登録させていただきました。

税理士法人に勤めながらの社労士開業

税理士法人での仕事が忙しかったので、社労士業務は夜にやってました・・・

ーー開業後は社労士業務がメインになったんですか?

いえ、そのときは税理士法人の正社員なので、勤務時間は税務をメインにやって、社労士の仕事は帰宅後にやってました。

残業で帰りが遅い日も多かったので、社労士業務を夜中にやることもありましたね。電子申請だから夜中でも出来るというか、出来てしまうというか(笑)

ーー当時は営業などされていたんですか?

税務の担当もすごく増えたりして、とにかく時間が無かったので、自分で営業は全然出来なかったですね。交流会も昼間だと参加できないですし、夜も残業があってあまり参加できなかったです。

支部活動には、たまに有休を使って参加していました。特に忘年会とか総会にはできるだけ参加していましたが、それ以外はなかなか難しかったですね。

税理士法人を退職して社労士業務をメインに

社労士業務に集中するため、税理士法人を退職しました。事務所も東京会に移転しました。

ーーそんな中、今年の3月に税理士法人を退職されて、社労士一本にされたんですよね?

そうなんです。なんだか自分がすごく中途半端な感じがして。自分はどっちをやりたいんだろうと考えたときに、やはり社労士の方にもっと力を入れたいと思って。

それこそ手続きだけでなく、コンサルにももっと時間をかけて取り組みたいと思ったので、税理士法人を退職して再出発することに決めました。

税理士法人からの紹介が無くなってしまうことに不安な気持ちもありましたが、それだけに頼ってても仕方ないですからね。

ーー退職にあたって事務所はどうされたんですか?

税理士法人と同じ住所のままにしておくわけにもいかないので、そのタイミングで東京に移しました。

もともと横浜の税理士法人だったので横浜で開業しましたが、よく飲みに行ったりする先生は東京会の先生が多かったんですよね。そこで色々と話を聞いてるうちに、東京に行きたいなっていう気持ちが芽生えてきて。それで、自宅(神奈川県)から電車で乗り換えなく行ける駅をピックアップして、その中から選びました。

ーー以前からお知り合いだった東京会の方とは、どういった繋がりなんですか?

私が東京の大学を卒業してるというのもあるのですが、大学の士業会でお会いした方がほぼ皆さん東京会でした。もう60歳を過ぎてるような大先輩の先生とも知り合えて。

皆さんすごく面倒見が良くて、独立するにあたって色々相談にのっていただきました。なんなら「事務所の住所をうちの事務所に置いても良いよ」とまで言ってくださる先生もいらっしゃって。さすがにそこまでは甘えられませんが、そういった親切な知り合いの先生が多くいたのも東京会にした理由です。

ーー色んな大学にそういった会があるんですか?

そうみたいですね。各大学に弁護士会とか税理士会とか社労士会のような会があるみたいです。そういったところで縦の繋がりができたり、色んな先生と知り合うことができます。

営業方法について

参加者の多すぎない交流会に参加してます。

ーー今後の営業方法みたなものは考えてますか?

私はSNSで人と知り合うことがあまり得意ではないので、とにかく色んな集まりに顔を出して覚えていただくしかないかなって思っています。

ーー団体とかには所属してるんですか?

何十人も集まるような会がちょっと苦手で。参加したこともあるのですが、名刺は交換できても全然顔も名前も覚えられなくて。そういった経緯もあって私には向いてない気がして、もう少し緩い感じの交流会に参加しています。

ーー1人でも参加されるのですか?

私はむしろ1人で参加したい派なんですよね。1人で知ってる人のいない交流会に参加して知り合いを作って。そこで知り合った方から、また別の交流会を紹介してもらったりして。

結局そういった小規模な交流会の方が繋がりができやすい気がしていて、最近はそういった会でできた繋がりから仕事をいただく機会も多いです。

ーーなかなか仕事には繋がりにくいって聞きますけど、しっかり仕事に繋がってるんですね。

そうですね。仕事に繋がらなくても楽しければ良いかなと思って参加していたのですが、税理士法人を辞めたことをアピールするようになってから、少しずつお仕事をいただける機会が増えてきました。

ホームページやシステムなど開業準備について

交流会でお会いした方に、ホームページやロゴのデザインをお願いしました。

ーー開業時にホームページは作りましたか?

はい、作りました。交流会でお会いした方がウェブデザインをされている方で。ちょうど同じ時期に開業されて「PRに使わせていただきたいので今なら安くできますよ」というお話をいただいたので、お願いしました。

ロゴも全然考えていなかったら、その方があわせて作ってくれました。名前をもとにしたロゴで、人に寄り添うようなイメージで作っていただきました。

やはり交流会でお会いしている方なので砕けた話もできるんですよね。なので、お会いしたことのない業者の方にお願いするよりも良かったのかなと思っています。

事務所名について

ーー事務所名はどのようにして決めたんですか?

事務所名は、外国語の名前とか色々考えたんですけど、最終的に名前で落ち着きました。一番分かりやすくて良いかなって。

なんだかんだ書類に事務所名を書くことが多いので、長かったり外国語だったりすると大変ですよね。毎回意味とか説明しないといけないし、読み方も分からなかったりするので。

使用しているシステムについて

ーー今システムって何か使われてますか?

オフィスステーションとかKiteRaは使ってます。あまり使いこなせていないですけど(笑)たまにお手伝いに行ってる事務所があって、そこで色々なシステムを触らせてもらえるのでありがたいです。もし何か良いものがあれば私も・・・とは思いますね。

そこの先生に教えていただいてPSRも最近使い始めました。事務所通信のひな型がすごく良いですね。

>>社会保険労務士PSRネットワーク

これから社労士開業を考えている方にメッセージ

変に焦ってブランディングする必要はないと思います!

ーー最後に、これから社労士として開業を考えてる方にメッセージをお願いします!

最近すごくブランディングのことが言われるじゃないですか。私は他の資格だったり得意な業界だったりも何もなくて、ブランディングって言われるたびに落ち込んでいたんです。

でも最近ようやく、別に何もなくても良いんじゃないかと思えるようになってきて。

そう思えた理由っていうのが、お客さんが仕事を頼んでくれるときに、やっぱり「この人と一緒にお仕事したい」と思ってもらえるかどうかが一番大きいと感じていて。

すごい社労士さんが大勢いる中でも私に仕事を頼んでくださる方がいることを考えると、焦って自分の強みを見つける必要はないのかなと思います。色んなことに挑戦しているうちに、必ず何か私はこれでアピールできる!っていうものが見つかるはずなので。

これから開業される方にも、変に焦る必要はないっていうことは伝えたいですね。

まとめ

以上、開業社労士伊藤明子先生のインタビューでした。

兼業社労士の苦労を経験した後に、専業で開業をされた伊藤先生。

すごく自身のことを理解されており、自分にあった方法を選択して営業活動されている印象を受けました。伊藤先生のおっしゃる通り、変にブランディングのことを考えなくても、真摯に誠実に色んな方と接していけば自然と仕事は集まってくるんだろうなと感じたインタビューでした。

最後に余談ですが・・・
私はインタビュー動画を、文字起こしサービスで文字起こししたデータを使ってこの記事を作成しているのですが、伊藤先生のお話はすごく正確に文字起こしされていました(私の話は誤字だらけです笑)。そのくらい伊藤先生は話し方がキレイなので、直接お会いする機会のある方はぜひ話し方にも注目してください(笑)

取材・編集:薬剤師tt

プロフィール

伊藤明子先生

銀行に就職した後、税理士法人へ転職。
出産育児のため10年近くのブランクを挟み、別の税理士法人にて勤務しながら2021年社労士試験に合格。2022年4月に開業登録しました。中小企業経営者の方の味方でありたいと思っています。飲み会大好きです!

Twitteraki@開業社労士🍀港区