これまで、私自身の社労士開業準備の話を主なコンテンツとしていたこのブログ。
新しく、先輩社労士に開業体験談をインタビューする企画をスタートしております。
私1人でなく様々な先輩社労士の開業体験談を聞くことで、これまで以上に開業を考えてる方の力になれればと思っています。
今回は第5弾として、埼玉県で開業されている大﨑友和先生に話を聞かせていただきました!
- 合格:第53回(2021年)社会保険労務士試験
- 開業:2022年8月1日
- 埼玉県社労士会春日部支部
目次
社労士受験・開業の経緯
ーーさっそくですが、簡単に自己紹介をお願いします。
2022年の8月に埼玉県春日部市で開業しました、大﨑です。
約20年にわたり一般企業の総務部長として人事労務や財務に従事した後、社労士法人での勤務を経て独立開業しました。 労務問題に強い社労士として、地元埼玉県に貢献すべく日々奔走中です。よろしくお願いします!
ーーよろしくお願いします。まずは社労士試験を受験した経緯を教えてください。
一般企業の総務部に配属されたばかりの頃、簿記の知識しかなくて人事労務の知識が全くなかったため、知識を得る目的で社労士試験の勉強をしたのがきっかけです。
ただ何回か不合格が続いたので一度諦めました。その後、社労士法人で勤務するにあたってもう一度勉強しなおし、無事に合格することができました。
ーー社労士法人での勤務はどういった経緯なんですか?
勤めていた会社が倒産したんです。会社が倒産して「さあどうしよう」となったときに、知り合いの社労士から声をかけていただきまして。もともと愛知県の法人なのですが、東京オフィスの立ち上げに参画しました。
もちろん社労士の資格がなくても働けるのですが、やはり資格がないと格好付かないと思って一生懸命勉強しました。
ーー社労士法人では何年くらい勤めたんですか?
だいたい2年くらいです。
自宅が埼玉県なのですが、東京の事務所まで片道2時間近くかかるんです。仕事も忙しいので、帰宅したら日が変わっていたり、ときには事務所に泊まることもあって。家族との時間も持てず、家族の近くで働きたい、地元の埼玉県で働きたいとの思いが強くなり独立開業を決めました。
事務所について
ーー開業にあたって事務所はどうされましたか?
事務所は、埼玉県と春日部市の共同施設内にあるインキュベーションオフィスに入居しました。
ーーインキュベーションオフィスってどんな施設なんですか?
分かりやすく言えば創業支援施設ですね。私が入居してるのは自治体が運営する施設で、事業の一つがインキュベーションオフィスです。民間の貸事務所より割安で借りられるうえ、経営相談が受けられたり交流会が開催されたりもします。
入居審査はありますが、オススメですね。
最初の仕事について
ーー最初の仕事はどうやって頂いたんですか?
金融機関の方から紹介を受けて、就業規則の見直しです。
総務部長時代の会社で取引のあった信用金庫がありまして、開業したときにそこからも少し融資を受けたんです。それもあって担当の方と仲良くなり、たまたま就業規則を見直したいお客さんがいるとのことでご紹介いただきました。
ーー金融機関の方からも紹介ってあるんですね。
あると思います。ただ金融機関の方って、社労士が何をしてる職業なのか知らない方も多いです。なので、まずは社労士が何をしてるのか知ってもらうことが大切だと思います。そうすれば、やはり金融機関の方はその先にお客さんも多いので。
営業について
ーーその後はどのように営業をしているのですか?
営業には直接営業と間接営業がありますけど、やっぱり社労士に多いのは間接営業、いってしまえば紹介ですよね。他士業の方だったり、金融機関の方だったり。そういった方と、いかに繋がるか、関係性を深めていくかが大切だと思います。
それとあわせて直接営業で、セミナーを開催して参加いただいた方にアプローチしたり、知り合いに直接訪問したりですかね。
ーー繋がりを作るっていうところで、具体的にどういったアプローチをされていますか?
いろんな交流会に参加したり、あとは経営者団体の守成クラブにも入りました。
経営者の集まる交流会や他士業の集まる交流会に参加して繋がりを作っていく。最初はそういったところから始めていくしかないのかなと思います。
就業規則について
最近は就業規則の作成を中心に営業しています。就業規則をきちんと作ることで色んな労働問題のリスクを回避できますので、ぜひ就業規則はきちんと作られた方が良いということをお伝えしています。
ーー就業規則はどの段階で作った方が良いと思いますか?
従業員を1人雇ったら作った方が良いと思います。10人未満だから問題社員が出ないかといったらそんなことも無いですし。就業規則があって職務規律やルールがあれば、それに基づいて手を打てますけど、何もないと手の打ちようが無いですからね。
ですので、会社を守るためにも、従業員を1人でも雇ったら就業規則を作った方が良いと思います。
創業融資について
ーー創業融資のお手伝いもされてるんですよね?
そうなんです。開業するにあたって一番おすすめするのは、やはり開業するタイミングでお金を借りておくことですね。
社労士って、開業して最初から売上なんてなかなか上がらないですし、軌道に乗るまで時間がかかると思うんです。その間は収入が少ないわけですけど、出ていくものは当然出ていきます。
そうしてどんどんお金が無くなっていく状況って、やっぱり精神衛生上よくないですし、売上が上がるまでの期間を耐えられなければ、廃業もあり得ます。
「あと1年続けていれば軌道に乗りそうだったのに」っていうところで、お金が無くて廃業してしまったら本当にもったいないですよね。そういった意味で、創業のタイミングでお金を借りておいて、資金的な余裕をもったうえで業務に注力することをオススメしています。
ーーなんとなくお金を借りるのが嫌だっていう方は多いですよね?
確かにその気持ちも分かりますけど、お金を借りても使わなければ、そのまま手元に残っているわけですよね。例えば300万円借りても月々の利息って3000円程度なんです。
ーー利息ってその程度なんですね!
そうなんです。その月々数千円の利息は保険料だと私は思ってまして。
実は創業したての頃(だいたい3か月以内)ってお金を借りやすいんですけど、これが半年とか1年たつと借りにくいんです。
なぜかというと、創業するときってまだ実績が何もないじゃないですか。なので、あくまでも将来に向かっての計画だけで借りられるんです。
これが後になればなるほど、実績を見られてしまうんです。今の足元はどうなんですか、利益はどうなんですか、売上はどうなんですかって。そうなったときに、やはり社労士って最初は売上もないですし、当然利益もないのでお金を借りられないんです。
開業して半年から1年後くらいで苦しくなることが多いんですけど、そのときに借りようと思っても借りられない。なので、最初の計画だけで借りられる時期に借りてしまった方が良いと思います。
あとは、創業時に借りてきっちり返しておくことで、いざというときにお金を借りやすくなりますし、銀行の人と接点を持つ口実にもなります。それをもとに銀行の人と仲良くなって、その先の仕事に繋がることもあると思います。
ーー創業融資だとやはり政策金融公庫ですか?
そうですね。創業時に借りる方のだいたい9割くらいが政策金融公庫から借りていまして、私も政策金融公庫です。
>>日本政策金融公庫
ただ政策金融公庫って、借りたら半分返さないと次を借りられないんですよ。運転資金ってだいたい5年で借りるんですけど、2年半たたないと次が借りられない。
これって結構なリスクなので、じゃあどうするかというと、最初にまず政策金融公庫で借りて、その借りた実績を持って、民間の金融機関に少額でもいいので借り入れを申し込むんです。
民間の金融機関はあまりリスクを取りたがらないんですけど、政策金融公庫で融資の実績があると借りやすいんですね。そこで50万円でも100万円でも良いので、1年などの短期でお金を借りて、それを返済して実績を作って、また借りてを繰り返すことで常にお金が手元にあるようになるんです。
ーー社労士って開業時点ではそこまでお金が必要ないと思うのですが、実際に開業してみてどうでしたか?
私の場合、一番大きかったのは複合機です。家庭用ではなく業務用のしっかりしたものを買ったので、それだけでもある程度まとまったお金が必要でした。
あとはパソコンだったり、業務用システムだったり、ホームページですね。最初でしっかり揃えるとなると、やはり100万円以上は必要かなと思います。
もちろん事務所の賃料だったり、いろんな勉強会や研修にも参加しますし、あとは交流会に参加するための交際費ですよね。その辺りは結構多めに乗っけて融資を受けました。
システムや給与計算について
ーー業務用システムは具体的に何を導入したんですか?
勤めていた社労士法人で使っていたセルズを導入しました。やはり慣れてるのが一番ですね。
給与計算は弥生を使っています。前の会社だと弥生とPCA給与を主に使っていたのですが、PCAは料金が少し高くて。
>>PCA
弥生は分からないことがあったときのサポートも手厚いので良いですね。
ーー最近は給与計算を受けない社労士もいますが、どう思いますか?
気持ちは分かります。給与計算には、間違えるわけにはいかないっていうプレッシャーがありますよね。あとどうしても納期に縛られる。具合が悪いから休むっていうわけにもいかないですからね。
ただ事務所の経営を考えたときに、やはり給与計算もしていた方が顧問契約を切られにくいっていうのはすごく感じます。
例えば労務相談と手続きだけっていう顧問契約だと、何もしない月が出てくるじゃないですか。定期訪問でお話するくらいはありますけど、実務としては何もしなかったっていう。これって気持ち的になんとなく申し訳なかったり不安になったりしますよね。
そんな中で給与計算は毎月目に見える形で成果物があるので、こちらの安心感みたいなものもありますし、顧問先としても「ちゃんとやってくれてるな」っていうお金を払う納得感を強く感じてもらえるのかなと思います。
あと給与計算は他の事務所に変えられにくいっていうのもありますね。
これから社労士開業を考えている方にメッセージ
ーー最後に、これから社労士として開業を考えてる方にメッセージをお願いします!
ぜひ創業のタイミングで融資を受けて、資金的な余裕をもったうえで業務に注力していくことをオススメします!
まとめ
以上、開業社労士大﨑友和先生のインタビューでした。
開業する際には、ぜひ創業融資を受けていただきたいと語る大﨑先生。
私は創業融資を受けずに開業しましたが、大﨑先生の話を聞けば聞くほど、創業融資を受ければ良かったと後悔しました(笑)
それくらい、創業融資を受けるメリットとその根拠に納得感がありました。
これから開業される方で創業融資を受けるか悩んでいる方は、一度大﨑先生に相談されてみてはいかがでしょうか。
取材・編集:薬剤師tt
大﨑友和先生
約20年にわたり一般企業の総務部長として人事労務や財務に従事。 その後、社会保険労務士法人勤務を経て、埼玉県春日部市にて独立開業。 労務問題に強い社労士として、地元埼玉県に貢献すべく、日々奔走中。
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