普段あまり意識せず使っている、休日、休暇、休業といった言葉。
それぞれに意味と違いがあり、使い分ける必要があることを知ってましたか?
また、似たような言葉に休職もあります。
この休職がまた厄介で、かなり多くの人が勘違いしています。
今回は、これらの言葉の意味と違いについて簡単に紹介していこうと思います。
休日とは
休日を公休なんて言ったりもしますが、休日とは労働者が働く義務のない日のことを言います。
以前の記事で所定休日と法定休日を紹介しましたが、どちらも労働義務のない日であり休日となります。
また、労働義務があるのかないのか明確にすべきとのことで、休日については雇用契約書にも必ず記載が必要となっています。
休暇とは
次に休暇ですが、本来は働く義務のある日のうち、従業員の申出により、会社が働く義務を免除する日のことを言います。
少し回りくどい言い方になってしまいましたが、代表的な休暇である『有休』をイメージしてみてください。
『有休』は正式名称を『年次有給休暇』といいます。
- 毎年発生する
- 給与が貰える
- 働く義務を免除してもらえる
正式名称を見ると有休の特徴がイメージしやすく、また休暇の「働く義務を免除」というポイントについてもイメージしやすいのではないでしょうか。
法定休暇と任意休暇
休暇には、
- 法定休暇:法律で付与が定められている休暇
- 任意休暇:会社が任意で付与する休暇
があります。
法定休暇の例
法定休暇の代表は『有休』ですが、他にも
- 子の看護休暇
- 生理休暇
などがあります。
任意休暇の例
一方の任意休暇は、会社によっては
特別休暇などと呼ばれたりしますが、
- 慶弔休暇
- 誕生日休暇
この辺りがメジャーです
- 夏季休暇
- 年末年始休暇
この辺りを任意休暇としている会社も多いですが、任意ですので本当に会社次第です。
休暇の給与
また、給与の支払いについても、『有休』については名前の通り給与の支払いが定められています。
しかしその他の休暇に関しては、例え法定休暇であっても給与の支払いは定められていません。
なので給与の支払いに関しても会社次第のところが大きいです。
休業とは
休業と聞くと、
- 育児休業
- 介護休業
この辺りをイメージする方が多いかもしれません。
しかし実際のところ、休業と休暇に法律上の違いは無いんです。
どちらも働く義務を免除する日になります。
なので、休暇か休業かを細かくこだわる必要はありません。
休職とは
最後に休職です。
おそらく一番勘違いしてる人が多いのが、この休職だと思います。
休職とは一般的に、従業員が何かの事情により働けなくなった場合に、会社が働くことを免除・禁止する制度です。
この休職は法律で定められている制度ではないので、会社によってはニュアンスが異なるかもしれません。
休職という制度自体が無い会社もあります。
しかし一般的には、会社が働くことを免除・禁止する制度です。
従業員側の権利と思っていた方もいるのではないでしょうか。
休職は退職までの猶予期間
休職については、退職までの猶予期間と言うとイメージしやすいかもしれません。
休職は病気の治療等で使うことが多いです。
しかし本来であれば、病気の治療等で働けなくなった時点で、会社との契約に違反することになります。
なぜなら労働者には労務提供義務があるからです。
ですので感情的なものは置いておき、病気の治療等で働けないというのは労働者の労務提供義務違反であり、会社は解雇も可能なのです。
しかし、働けなくなった時点ですぐに退職というのも現実問題としてなかなか難しいことです。
最近の時代背景として、会社もすぐに退職されてしまうと辛いですからね。
そこで、すぐに退職ではなく少し休んでもらい、また以前のように働けるよう治療に集中してもらう。
これが休職です。
休職に関する就業規則の定め
なので、就業規則で休職を定めている場合、数ヶ月休職しても体調が戻らなかった時にはそのまま退職という流れになっていることが多いです。
休職から体調が戻らず退職なると、労働者としては会社に対して厳しいイメージを持つ方が多いかもしれません。
しかしそれは逆で、休職となった段階で会社は猶予を与えているという考えの方が正しいのです。
まとめ
以上、今回は、休日・休暇・休業・休職の違いについて紹介しました。
休日が働く義務の無い日というのは理解していただけたかと思います。
ここで思い出していただきたいのが、就職活動で説明されたであろう会社の年間休日数です。
「働く義務の無い日」と考えた時に、合ってますか?笑
意図してるのかは不明ですが、休日だけでなく一部の休暇を加えて年間休日数を多く見せている会社があります。
確かに『年間休日数』という言葉に定義はありませんが、『休日』という言葉を使うからには、普通は年間の労働義務が無い日を指します。
そういう意味で、数字を多く見せているような会社は、少し不誠実ですよね。