出産・育児

くるみん認定とは?取得している薬局やドラッグストアは?

皆さんご存知の通り、日本は少子化が進んでおり、育児介護休業法の改正など政府も様々な施策を行っています。

国が何かの取り組みを推進するとき、法律等でその取り組みを制度化するというのは分かりやすい方法です。

そしてもう一つよくある方法として、その取り組みに積極的な企業等を評価するという方法があります。

実際に国が、子育てサポートに積極的な企業を評価する制度としてくるみん認定というものがありますので、今回紹介いたします。

後半ではくるみん認定を取得している薬局やドラッグストアも紹介していますので、子育て中の薬剤師の方は参考にしてみてください。

くるみん認定とは

くるみん認定とは、2003年に施行された次世代育成支援対策推進法(以下、次世代法)に基づき、一定の基準を満たした企業を「子育てサポート企業」として厚生労働省が認定する制度です。

くるみん認定の歴史

くるみん認定は2005年にスタートしました。

企業が次世代法に基づいて行動計画の策定・届出行い、行動計画に定めた目標を達成するなど一定の基準を満たした場合に認定を受けられます。

その後2015年に、認定企業のうち、より高い水準の取り組みを行った企業に対する特例認定「プラチナくるみん認定」の導入がスタートしました。

しかし2016年9月に、女性新入社員の過労自殺が労災認定された電通が、過去3回にわたりくるみん認定を取得していたことが問題視され、2017年に認定基準が改正されました。

この改正では、

  • 労働時間に関するチェックの強化
  • 労働関係の法令違反がないか厳しくチェック
  • 重大な法令違反があった場合に認定を取り消しやすくする
  • 男性の育児休業取得に関する要件の引き上げ

などが主な項目となっています。

2022年改正

そんな中、2022年4月にはさらに大きな改正がありました。

主な内容としては、

  • くるみん認定・プラチナくるみん認定の認定基準の引き上げ
  • 新たに「トライくるみん認定」の創設
  • 不妊治療と仕事の両立がしやすい環境整備に取り組む企業の認定制度を新設

この中で、トライくるみん認定の認定基準は2022年改正前のくるみん認定と同じ基準になっています。

また、不妊治療と仕事の両立がしやすい環境整備に取り組む企業については、3種類のくるみんマークにそれぞれ「プラス」が追加されました。

くるみん認定の種類

上記のような経過を経て、現在くるみん認定は

  • くるみん認定
  • プラチナくるみん認定
  • トライくるみん
  • くるみんプラス
  • プラチナくるみんプラス
  • トライくるみんプラス

の6種類となっています。

はい、多すぎて意味わかりませんね(笑)

くるみん認定を取得するための指標

くるみん認定を取得するための基準はたくさんあるのですが、その中で数値として指標になるようなものとして以下の基準があります。

次の①または②のいずれかを満たしていること。

  1. 計画期間において、男性労働者のうち育児休業等を取得した者の割合が10%以上であること。
  2. 計画期間において、男性労働者のうち、育児休業等を取得した者および企業独自の育児を目的とした休暇制度を利用した者の割合が、合わせて20%以上であり、かつ、育児休業等を利用した者が1人以上いること。

計画期間において、女性労働者の育児休業取得率が、75%以上であること。

計画期間の終了日の属する事業年度において、フルタイムの労働者等の法定時間外・法定休日労働時間の平均が各月45時間未満であること。

計画期間の終了日の属する事業年度において、月平均の法定時間外労働60時間以上の労働者がいないこと。

プラチナくるみん

プラチナくるみん認定はくるみん認定よりも高い基準の取り組みを行っている企業ということで、認定基準がより厳しくなっており、以下のような違いがあります。

次の①または②のいずれかを満たしていること。

  1. 計画期間において、男性労働者のうち育児休業等を取得した者の割合が30%以上であること。
  2. 計画期間において、男性労働者のうち、育児休業等を取得した者および企業独自の育児を目的とした休暇制度を利用した者の割合が、合わせて50%以上であり、かつ、育児休業等を利用した者が1人以上いること。

次の①または②のいずれかを満たしていること。

  1. 子を出産した女性労働者のうち、子の1歳誕生日まで継続して在職(育児休業等を利用している者を含む)している者の割合が90%以上であること。
  2. 子を出産した女性労働者および子を出産する予定であったが退職した女性労働者の合計数のうち、子の1歳誕生日まで継続して在職(子の1歳誕生日に育児休業等を利用している者を含む)している者の割合が70%以上であること。

くるみん認定を取得している薬局やドラッグストア

実際にくるみん認定を取得している薬局やドラッグストアは数多くあり、その一部を挙げていきます。

  • 株式会社アインファーマシーズ
  • 株式会社サッポロドラッグストアー
  • ウエルシア薬局株式会社
  • たんぽぽ薬局株式会社
  • 株式会社スギ薬局
  • 日本調剤株式会社
  • クオール株式会社
  • 株式会社メディカルシステムネットワーク
  • 総合メディカル株式会社

また、この中でも

  • 株式会社アインファーマシーズ
  • 株式会社スギ薬局
  • 総合メディカル株式会社

はプラチナくるみん認定まで取得しており、より子育てサポートに力を言れていると言えます。

まとめ

以上、今回はくるみん認定について紹介しました。

子育てしながら働きやすい会社に就職したいと考える人は多いと思いますが、実際にそういった会社を探すのはなかなか難しいです。

就職してみないと分からないのが実際でしょうし、店舗によるところも大きいと思います。

しかしくるみん認定やプラチナくるみん認定を取得している会社であれば、少なくとも認定を取得していない会社よりは子育てしやすいが可能性が高いと言えるのではないでしょうか。