2025年4月から新たに「出生後休業支援給付金」「育児時短就業給付金」という制度ができました。
これまで育児休業中の支援として
- 育児休業給付金
- 出生時育児休業給付金(産後パパ育休)
などがありました。
名前が似ていて混乱しますが、育休の制度が活用しやすくなるのはありがたいですね。
完璧に丸暗記する必要はありませんから、大枠を押さえて必要なタイミングで見返してみてください。
2回に分けてお話ししていきますね。今回は出生後休業支援給付金について解説していきます。
今回新たにスタートする出生後休業支援給付金は、男女ともに育児休業を取得しやすくすることを目的とした制度です。
今回はこの出生後休業支援給付金の概要や、これまでの制度との違い、支給要件、申請方法について解説していきます。
これまでの育児支援制度
出生後休業支援給付金の解説をする前に、これまでの育児支援制度についておさらいしてみましょう。
育児休業給付金
いわゆる、従来の育休中に支給される給付金です。育児休業中に支給される給付金で、以下の条件を満たすことで支給されていました。
- 対象者:雇用保険被保険者
- 支給額:育休開始から6か月までは給与の67%、その後は50%
- 支給期間:原則として子どもが1歳に達するまで(条件を満たせば、最長2歳まで延長可)
出生時育児休業給付金(産後パパ育休)
男性が育児休業を取得しやすくするために導入された制度で、2022年10月に施行されました。
- 対象者:雇用保険被保険者の男性
- 支給額:給与の67%
- 支給期間:子の出生後8週間以内に最大28日
詳しくはこちらの記事にまとめていますので、参考にしてみてくださいね。

出生後休業支援給付金とは?
2025年4月から施行される出生後休業支援給付金について解説していきます。
これまでの制度とは異なり、両親が協力して育児休業を取得することを重視しています。
制度の目的
男女ともに育児参加をしやすくするため、パートナーが育児休業を取得することを条件として、経済的な支援を行うものです。
支給要件
出生後休業支援給付金が支給されるためには、2つの要件を満たす必要があります。
要件①本人が14日以上育児休業を取得していること
「出生時育児休業給付金」または「育児休業給付金」が支給される育児休業を通算14日以上取得している必要があります。
要件②配偶者が育児休業を14日以上取得していること
子の出生日または出産予定日から8週間以内に、配偶者が14日以上の育児休業を取得している必要があります。
※例外ケース
配偶者が育休を取得できない特段の事情がある場合でも、出生後休業支援給付金の支給対象となることがあります。
- 配偶者が専業主婦・主夫
- 配偶者がフリーランスや自営業
- 配偶者がDVによる別居中
- 配偶者が産後休業中 など
支給額はいくら?
休業開始時賃金日額 × 日数(最大28日) × 13%
例)日額1万円の方が28日間取得した場合
10,000円 × 28日 × 13% = 36,400円
【ポイント】
- 支給額は「育児休業給付金」または「出生時育児休業給付金」とも併用可能です。
- 育児休業給付金、出生時育児休業給付金(産後パパ育休)が給与の67%の支給です。
そして今回の出生後休業支援給付金が日額の13%。
合計で最大80%相当が支給されます。
手取りベースでほぼ満額となるため、家計の負担が大幅に軽減できますね。
これまでとの違い
夫婦協力型の支給要件
これまでの「育児休業給付金」や「出生時育児休業給付金」は個別で取得すれば支給されましたが、出生後休業支援給付金は夫婦双方が育児休業を取得することが条件です。
支給率の違い
これまでの給付金は給与の67%または50%でしたが、新制度では13%(最大28日分)が支給されるため、育児休業全体で80%相当の手取りとなる点が特徴です。
支給期間の異なる特性
育児休業給付金:原則1歳まで
出生時育児休業給付金:出生後8週間以内
出生後休業支援給付金:パートナーの育休取得を条件として28日分
制度の狙い
少子化が問題となる中、男性の育児参加を促すことは非常に重要視されています。
育児を夫婦で協力して行う意識改革を促すためにも、この給付金制度がスタートしました。
まとめ
出生後休業支援給付金は、男女平等に育児参加を支援するための制度です。
これまでの制度とは異なり、夫婦で協力して育児休業を取得することを条件としているため、企業側にも柔軟な対応が求められます。
国制度が整備されていくのと同時に、企業や従業員の理解が大切になってきます。
取得しやすい環境づくりを進めることも大切ですね。
以上、出生後休業支援給付金の解説でした。
育休を検討中の方はぜひこの制度を活用してください。