コラム

薬剤師なら知っておきたい保険の仕組み

突然ですが、『保険』について説明することが出来ますか?

聞いたことは絶対にあるでしょうが、いざ説明するとなると、正確には説明できない人もいると思います。

しかしながら、働き始めると『保険料』というのがビックリするくらいかかります。

そして、薬剤師というのは『医療保険制度』の中での仕事がほとんどです。

知らないと言って済ませるわけにはいきません。

そんなわけで今回は、薬剤師として働くならしっかり理解しておきたい『保険』についての解説です。

保険とは

まず初めに『保険』について簡単に説明すると、「大勢でお金(保険料)を出し合って資金とし、損害を被った人が資金からお金(保険金)を貰う」仕組みです。

人間には生きていく上で様々なリスクが存在します。

個人で対処できるようなリスクならまだ良いですが、自然災害や事故のような、全く予測できない対処不能なリスクも存在します。

そういったリスクに備えて大勢で保険料を出し合い、不運にもリスクに直面してしまった人が保険金を貰う仕組みが『保険』です。

保険の種類

保険には、健康保険に代表される公的な保険もあれば、生命保険のような民間の保険もあります。

日本では1961年国民皆保険が達成されています。

20歳以上の人のうち約80%が生命保険にも加入していると言われています。

そのくらい、日本人にとって『保険』は身近なものなのです。

保険料

実際に貰うと分かりますが、給与からは様々な保険料が引かれます。

健康保険料や厚生年金保険料、雇用保険でも保険料がかかってきます。

これらはいわゆる公的な保険で、一定の要件を満たした場合に強制で加入することとなります。

これまでは親の扶養に入っていましたが、社会人として働き始めたことで、いよいよ自分で保険料を納めることとなったわけです。

一方で、民間の保険には強制で加入することはありません。

もちろん給与から保険料が引かれることもありません。

自己負担

会社で働き始めて、そろそろ健康保険証を貰ったことと思います。

その健康保険証を持って病院にかかると3割の自己負担で済みます。

では、残りの7割はどこから来てるのでしょうか?

国が払ってくれてる?

違います。

お金配りおじさんこと前澤さんが配ってくれてる?

全然違います。

みんなが働いて納めた保険料から、その7割が出ているのです。

とはいっても少子高齢化の日本。全てを保険料で賄うことは難しいため、だいたい30%くらいは国が補填してくれています。

ま、補填といっても、元々は私たちが払った税金なんですけどね(笑)

医療保険

健康保険証を持っているということは、その保険に加入しているという証です。

公的な医療保険は『国』が運営していると一括りにされることが多いですが、実際には協会けんぽや、いくつもの健康保険組合が保険者として運営しています。

その保険者に、私たちは保険料を納めます。

そして病気などのリスクに直面した時、民間の保険では実際に保険金を貰います。

一方で公的な医療保険では、保険金の代わりに、病院で治療をしてもらったり、薬局で薬を貰ったりします。

最後に、治療を行った病院や薬を渡した薬局が、保険加入者に代わって保険者にその費用(保険金のようなもの)を請求します。

これが医療保険制度であり、医療保険制度の中での薬局や薬剤師の役割になります。

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回は『保険』の仕組みについて簡単に解説しました。

薬剤師として働いていくのであれば、今後必ず、医療保険制度について学ばなくてはいけません。

その時に、今回解説した『保険』の仕組みの知識がきっと役に立つと思います。

薬だけでなく、保険の仕組みについてもしっかり理解した薬剤師になってくださいね!

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