これまで、私自身の社労士開業準備の話を主なコンテンツとしていたこのブログ。
新しく、先輩社労士に開業体験談をインタビューする企画をスタートしております。
私1人でなく様々な先輩社労士の開業体験談を聞くことで、これまで以上に開業を考えてる方の力になれればと思っています。
今回は第2弾として、東京都江東区で開業されている関口豪先生に話を聞かせていただきました!
- 合格:第53回(2021年)社会保険労務士試験
- 開業:2022年8月1日
- 東京都社労士会江東支部
目次
社労士受験・開業の経緯
ーーさっそくですが、簡単に自己紹介をお願いします。
2022年8月に宮城県仙台市で社労士事務所を開業しました、関口です。
飲食業界で15年ほど働いた後に退職して社労士事務所を開業。今年から東京に引っ越して事務所も移転したため、新しく色んな方との繋がりを作っているところです。
飲食業界の酸いも甘いも知り尽くした社労士として活動中しています、よろしくお願いします!
ーーよろしくお願いします。まずは、社労士試験を受験した経緯を教えてください。
大学卒業後は飲食業界に就職しまして、複数店舗を管轄するマネージャー業や、新卒や中途で入社した社員を教育するような仕事をしていました。
その後に労働組合の執行役員を務めまして、高校生や大学生のアルバイトスタッフから社歴の長い方まで、色んな方の労働相談にのっていたんです。ただやっぱり法律の知識がないので、話を聞いて「それおかしいよね~」みたいに答えてはいたんですけど、そのうちに法律についてきちんと学びたいと思うようになり、退職して社労士試験の勉強を始めました。
ーーえっ、退職したんですか!?
はい、退職しました。退路を断ちました(笑)
退職して1年間勉強して、2021年の試験に合格することができました。もし1年で合格できてなかったら・・・考えるのも恐ろしいです(笑)
開業前の社労士事務所勤務
ーーその流れで、実務未経験での開業になるんですか?
実は社労士試験に合格してから開業までの期間に、2~3か月ほど社労士法人に勤務して少しですが実務を学びました。
あと開業はしましたが、今も別の社労士法人で週1回、業務委託でお仕事させてもらってます。以前から知っている先生で、合格の挨拶をした流れで・・・勉強させていただいてるかたちですね。
ーー実務未経験だと、そうやって勉強させていただける環境ってすごくありがたいですよね。
本当にありがたいです。
もちろん社労士事務所の勤務経験があるからといって仕事を頂けることは無いのですが、やはり初めての仕事って不安なんですよね。なので少しでも経験があると不安は小さいですし、仕事を受けてからの流れもスムーズになると思います。
開業前に社労士事務所での勤務経験があった方が良いかどうかは話題になることもありますが、もし可能なら勤務経験があった方が良いのではないでしょうか。
他士業との交流会を主催
ーー最初の仕事はどうやって頂いたのですか?
最初は税理士の先生からの紹介でした。
ーーその税理士の先生とはどう繋がったんですか?
全く別の業界で働いていたこともあって、開業するにあたって士業の知り合いが誰もいなかったんですよね。で、どうやって知り合いを作ろうかって考えたときに、自分で食事会を開けばいいって考えたんです。
最初はTwitterで合格同期の社労士と繋がって、次に税理士の先生と繋がりました。税理士の先生も社労士の知り合いが欲しかったみたいで。そこで税理士何人かと社労士何人かの食事会を私が主催しました。
そういった繋がりから、開業するタイミングでお仕事を紹介してもらったという流れです。
開業後の営業について
ーーでは、今もお仕事は税理士の先生からの紹介がメインですか?
それが、仙台から東京に移るタイミングで仙台の先生方とはなかなか会う機会を作れなくなってしまって。
なので今は新しく色んな集まりに参加して、繋がりを作っているところです。
ーー集まりというと、士業交流会のようなものですか?
士業交流会というよりは、『守成クラブ』や『BNI』のような経営者の集まりですね。
そこで税理士の先生と繋がったり、経営者と繋がって仕事を頂いたりしています。
ーーそういった集まりでは『飲食特化の社労士』として自己紹介するんですか?
そうですね。やはりこういった集まりって『社労士』だけだとどうしても弱いんですよ。すでに何十人何百人の社労士と会ってたりするので。なので、飲食特化から、何で飲食なのかっていう話まですると、けっこう印象に残るみたいです。
ただ取っ掛かりは飲食特化の社労士なんですけど、その後はあまりビジネス感を出し過ぎないようにしています。普通の友人というか、社労士の顔は出さないようにして。
そして何かあったときに、「そういえば社労士だったよね?」みたいな(笑)
ーーじゃあ仕事としては飲食以外も多いですか?
私は助成金もやっているからだと思いますが、飲食以外も多いです。助成金の場合、業界どうこうよりも、助成金ができるかできないかの方が強いんですよね。
これは私の個人的な考えなんですけど、
社労士としてよりも関口っていう人で選んでもらいたい
というのがあって。
取っ掛かりとしては業界特化だったりダブルライセンスっていうのも良いとは思いますけど、やっぱり最後はヒトとヒトなので。
自分というものを出して、それで相手に選んでもらって良い仕事ができれば、特化とかダブルライセンスがなくても自然と仕事はくると思いますし、それこそ色んな業界の仕事がくるのではないでしょうか。
ホームページや名刺など開業準備について
ーー開業時にホームページは作りましたか?
ホームページは一応作ったんですけど、コンタクトフォームがあればいいかなっていうぐらいで。ただ最近方向性が決まったので、プロの方に依頼してきちんとしたものを作ってもらっています。
正直なところ、ホームページは最初なくてもいいと思います。ほんと迷惑メールしかこないですし。メリットがないどころかデメリットしかないと思います(笑)
事務所名と名刺のこだわり
ーー事務所名はどのようにして決めたんですか?
事務所名はけっこう考えました。実は名刺の裏に事務所名の由来を載せているんです。
人と人の縁を表現する造語なんですけど・・・
ーーすごく素敵な由来ですね。名刺交換したときの評判はどうですか?
ありがとうございます。結構みなさん反応していただけますね。
あと名刺も結構こだわってまして。交流会にいくと、どうしても普通の名刺だと埋もれてしまうんですよね。何十人もの方と名刺交換するので。
なので、仙台の有名な方に描いてもらった似顔絵を載せています。名刺もその方に作ってもらって、手触りとか形(角が少し丸くなってる)にもこだわっています。
ーー名刺に似顔絵は珍しいですよね。
仕事のことも少し書いてありますけど、どちらかというとパーソナルな私を知ってもらいたいと思ってるので、似顔絵と社名の由来でかなりのスペースを使ってますね。
もちろん名刺だけで仕事に繋がるわけではないのですが、まずは印象に残ることが大事で。そして2回目に会ったときに「似顔絵の・・・」っていうと思いだして貰えるんです。名刺の役割としてはこれで良いのかなと思ってます。
開業後のSNS運用について
ーーSNSはどういったものを使われてますか?
受験生時代はTwitterがメインでしたが、最近はFacebookがメインですね。交流会に参加してるおかげで知り合いが数百人単位で増えたのですが、LINEやFacebookを交換しましょうって言われることがほとんどで。Twitterは出てこないんですよね。
なので、開業される方はFacebookがおすすめです。士業の方や経営者と繋がるにはすごく便利ですよ。
あと先日、広告代理店の方からSNSの運用について伺ったのでのが、
「仕事の話はしなくても良いので、ちょこちょこ投稿して思い出してもらうことが大切」
っていうふうに話されてて。
SNSで集客を考えると、どうしても仕事のことを書いた方が良いのかなって思うじゃないですか。でも全然仕事と関係ない内容でも定期的に更新するだけで宣伝になるっていうのが、個人的にはすごく目からウロコでした。
ーーザイオンス効果っていうやつですね。
ザイオンス効果とは
単純接触効果ということもあるが、繰り返し接することで好意度や印象が高まる効果のこと
開業後の情報収集や調べものについて
ーー開業後の情報収集や調べものはどうされてますか?
日本法令のSJSを契約しています。最初の頃は毎日のように見ていたのですが、最近は忙しくてなかなか見れてないですね。
ーー忙しいとそうなりますよね。
そうなんですよね。ただ週1で手伝いに行ってる先生が、
「幅広く情報収集するよりも、何かわからない事があったときに本を買うとかDVDを買うとか、ピンポイントで調べる癖をつけることの方が大事だよ」
っていうふうに話されていて。
定期的に法改正の情報も入ってきて知識のブラッシュアップにもなるので、何かしらのサービスを契約するのは良いと思います。ただ契約したからといって「全部見なきゃ!」って焦る必要はないと思いますね。
これから社労士開業を考えている方にメッセージ
ーー最後に、これから社労士として開業を考えてる方にメッセージをお願いします!
最初はとにかく色んな会や集まりに参加して、もちろん失敗もしながら、自分に合ったものを見つけていくことが大事だと思います。
私も色々参加しましたが、最初のうちはなかなか仕事の音が聞こえてこなくて。それで無意味に思えてしまうこともあるのですが、それも含めて種まきなんですよね。
簡単な相談レベルのもので良いので地道に続けていると、だんだん周りから「関口さん、ちょっといいですか?」とか「こういう人がいて、どうしようか迷ってて・・・」みたいな話が増えてきて。
おそらくここが分岐点で、これからどんどんそういった話が増えて、仕事に繋がっていくんだろうなっていうのを、今まさに自分が経験しているところです。
なので、いつ芽が出るかわからないですが、失敗しても根気よく続けていってほしいですね。
今後の目標
ーー今後の目標などありますか?
社労士の人って、実は法学部でしたとか、税理士事務所や法律事務所に勤めてましたっていう人が多いですよね。私は大学で法律なんて学んでいないですし、仕事も全く関係ないことをしてきました。
そんな私が成功できたら、世の中の人ほとんどが成功できるんじゃないかって思うんですよね。なので、他の人の希望になるためにも成功してやろうっていう思いで頑張ってます。
また今後の目標の1つとして、いつか人を雇えるようになったら、実務未経験で合格したけど仕事が見つからなかったり、何をしたら良いかわからないっていう人を雇い入れて、経験を積むための受け皿になりたいっていう思いがあります。
もしそれを東京でやれたら、社労士業界にも御返しができるのかななんて思ってます。
まとめ
以上、開業社労士関口豪先生のインタビューでした。
けっきょく最後は人と人の縁だと話す関口先生。
お話を伺っているとすごく芯が通っていて、その考え方が根底にあるからこその営業方法だったり、こだわりのある名刺作りなのかなと思いました。
最後に今後の目標として挙げている点は私も社労士の課題点だと思っていましたので、ぜひ成し遂げていただきたいです!
取材・編集:薬剤師tt
関口豪先生
1981年生まれ(41歳)。
学生時代は野球、サッカー、空手など色々なスポーツをやっていました。
学生時代のアルバイト経験から飲食業界に進み、15年間で4社を経験し、マネージャー、社員トレーナー、労働組合執行役員を経験。
飲食業界の酸いも甘いも知り尽くした社労士として活動中。
Facebook:関口 豪